危 惧
あれから早いもので4年が経ったんですね。 なにがって、プリマヴェーラのチャペルコンサートです。 そのときに作ったのがこのCD (マンドリンアンサンプル研究会プリマヴェーラ チャペルコンサート 2008) おかげさまでこのCDも500枚作ったのですが、おおかた捌けました。 私も顧問として(マンドリンを演奏しないので(^_^;))、そのジャケットに以下の文を 寄せさせてもらいました。 今読み直しても、そのときの思いは変わっていません。 *********************************** プリマヴェ-ラのCDに寄せて クラシックにおいて近年めざましいのは古楽アンサンブルの隆盛である。 とにかく古楽器でバロック音楽を演奏すればよかった時期を経て、 今ではそこで培われた新たな解釈・奏法をそれ以降の楽曲に当てはめて、 クラシック界に鮮烈な息吹を吹き込んでいる。古楽演奏の旗手、アーノンクールや ノリントンらがモダン楽器のオーケストラの指揮に引っ張りたこなのが、 それを如実に示している。絵画・彫刻などと違って音楽は再生芸術であり、 演奏というプロセスを経て我々に提供される。そのため演奏者にその音楽の 生死が委ねられているといっても過言ではない。 では、マンドリン演奏の現状はどうだろうか? その回答はここでは差し控えるとして、そもそもプリマヴェーラという団体は、 マンドリン演奏という括弧で括ることなく、演奏の基本であるアンサンブル本来の 姿に立ち返り、各楽器の個性を引き出しつつ、全体の調和を動的に取る事を 目標に練習を重ねてきた。指揮の野村氏の注力は無論そこにあった事は想像に 難くない。 もちろん実際の演奏は理想にはまだまだ遠く、個々の演奏技術の向上も望まれるが、 なにより今回のチャペルコンサートは、多くの暇癖にもかかわらず、 その目指す方向が 間違っていなかった事を雄弁に語っていると思う。これまでのマンドリン演奏には なかった新しい息吹が感じられるというのは言い過ぎだろうか? その判断はこのCDを聞かれる方々に委ねたいと思う。 (2008.10.4) *********************************** 残念ながらマンドリン界はその当時と少しも変わっていないようです。 オーケストラの基本はアンサンブルであるというのは、音楽の世界では常識だと思って いたのですが、ここではそうではありません。 人気のあるいくつかのマンドリンオーケストラが演奏をYoutubeなどに載せて いますが、確かに一人一人の技量は高いものの、各人が格闘技の如く最大音量で かき鳴らしているとしか聞こえず、アンサンブルの本質とは遠いところにあるように感じます。 まるで体育会系の部活の乗りです。 大相撲が、その閉じた世界において、伝統という名に隠れ、それ以外の世界では とうてい通用しない価値観を固守して来たがために、それがいつの間にか変性し、 ついにはその世界が内部から崩壊しかねない状況に陥っています。 願わくば、マンドリン界がその轍を踏むことのないように願うばかりです。 #
by michinokuhitori
| 2012-03-03 22:08
嵌まっています
モーツァルトミサ曲全集(Peter Neumann指揮, Collegium Cartusianum, Koelner Kammarchor ) このボックスセット(ほんとにいいの?っていうくらい安い)を買った直後は、 あまりにおもしろくてぶっ通しで聴いたのですが、最近また思い出したように 聴いています。 例えば、CD1の最後のSpatzen-Messe(すずめのミサ?) そのBenedicutusのたたみかけるようなエンディングのところなど、愉快な オペレッタを聴いているような錯覚を起こします。 ほんと、ミサ曲がこんなに楽しくっていいんかいと、ツッコミを入れながら 聴いてしまいました。まあ、ミサ曲をそんな風に聴くのは不謹慎と云われそうで、 あまり大きな声では云えませんが。 天才モーツァルトの天才たる所以は、このように決して自己の中心の仕事では なくても、あるいは気が進まず仕方なく(?)作った作品も、誰にもまねの出来ない ものに成ってしまうと云うことでしょうか。 興味ある方は聴いてみてはいかがでしょうか。といっても、いかに安いとは云え、 試し聴きにBOXを買うはあり得ませんよね。Amazonで1曲100円で(別の団体の 演奏ですが)ダウンロードして聴くことが出来ます。 気になる方はお試しを。 #
by michinokuhitori
| 2012-02-27 23:30
一日一枚
一日一枚ずつKarajan 60s recording BOXセットの中のCDを、例によってFLACに 変換してパソコンに取り込んで聴く一方、AppleLosslessに同時に変換して、iPodに 取り込んで通勤の行き帰りに聴いています。 そして、いよいよBeethovenの交響曲全曲シリーズに到達しました。 彼の60年代のBeethovenのシンフォニーは、ピリオド奏法を取り入れた現代の 演奏からすると至極まっとうなものですが、いずれも高いレベルの演奏、ようするに 粒が揃っていてまとめて聴いても裏切られないということです。今では普通となった Beethovenの交響曲を全集としてリリースすることが、このときに確立したというのも 頷けます。 それにしても、このジャケットのカラヤン、かっこいいですね。 #
by michinokuhitori
| 2012-02-19 11:37
音楽ネットワーク弘前の合同演奏会、いよいよ明日に迫りました。
まあここまで来てジタバタしても仕方ないのですが、不安材料がたくさん・・・・ 1stの弱音器の装着に思いのほか時間がかかります。 焦るとなお時間がかかる・・・ ここはぜひ平常心で、落ち着いて取り組みましょう。 どんなに真面目に、どんなに時間をかけて取り組んでも、 できないものはできないのだ、という現実を受け止めることも必要です。 限られた能力の中でできる、最大限のことをみんなでがんばってみる。 そして・・・あとは神頼みです。 できないものができるようになる、という奇跡は起こりませんが、 積み重ねた時間は何かしら味方してくれるのでは、と思っています。 がんばりましょう。 弘前音楽祭 「音楽ネットワーク弘前合同コンサート」 日時:11月28日(日) 12:30開場 13:00開演(17:00終演予定) 会場:弘前市民会館大ホール 入場料:500円(中学生以下無料) プリマヴェーラは、出番1番です。(13:00~13:15) 弱音器を装着したマンドリンアンサンブルは、おそらく初めてだと思います。 興味のある方はぜひ聴きにいらしてください。 #
by michinokuhitori
| 2010-11-27 23:09
34小節目の1拍目のギター、3弦の音は鳴らしにくいのですが、弦楽合奏版のCDを聴くと、この音の上下が逆になっています。
「その方が鳴らしやすいし楽器法としても自然です。気が変わったらそれでやるかも・・・」と言う指揮者。 とりあえず作曲者を尊重するとどうなるか、ということを体験しておきたいので、今のところはそのままやります。 34小節目以降はしつこいくらい「ソ」が多いです。この、ソは保続音だと思って弾いてください。保続音というのは、簡単に言うと、金縛りにあうような感じで、それが続いたらそこから抜け出たいという思いにかられる感じです。上で和音が変わっても、同じ音が鳴っているとそれに呪縛されてしまうという効果なので、抜け出すとすっきりします。 1stも、2分音符のソは保続音だと思って弾きましょう。 11月28日(日)音楽ネットワーク弘前の合同演奏会でこのセレナーデを演奏します。 弱音器をつけての初めての演奏です。 マンドリン合奏の醍醐味は迫力!と思っているマンドリン関係者たちが多い中で、ただでさえ小さな音を、あえて弱音にして演奏するというのは勇気がいります。また、最近は、日常生活の中でも常に音があふれ、聞く努力をしなくても自然に音が耳に入ってくることに慣れている私たちですから、小さな音に耳を澄ます、という経験があまりなく、“聞こえない!”とも言われかねません。 でも、「人前で演奏するということは、どんな批判も受ける覚悟をしなければいけない」という指揮者の言葉を真摯に受け止め、 “研究会 プリマヴェーラ”は、マンドリンの新しい響きと可能性を求めて、演奏してみたいと思います。 #
by michinokuhitori
| 2010-11-16 00:43
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