この曲は、拍子記号が2分の2拍子となっていますが、これはいわゆるアラブレーベとは考えないで、速めの4拍子として考えましょう。
(以前やった、モーツァルトのアイネクライネでもありましたよね) セカンドとマンドラは8分音符のピチカートが1小節に8コ出てきますが、ここは4コ4コで意識します。(一般的な、4拍めを↑、次の1拍めを↓というようなことはあまり考えなくていいです。) セカンドは、3度音程を、マンドラは6度の跳躍をきれいに躍動させます。この運動性の違いを意識しましょう。セカンドは穏やかな小波、マンドラは少し大きい波、という2層構造になっています。このピチカートの粒が聞こえることによって、ある程度の小気味よい運動性やユーモラスな響きがそこに託されます。その上に、全く性格の違うメロディーが流れる、というコントラストを楽しみたいと思います。 優雅に泳ぐ白鳥のごとく、水面下では足をバタバタと、結構疲れる動きをしている、ということですね。 冒頭のファーストは、フレンチデタシェ風に弾きましょう。動き出してちょっと止まるようなアクションが次へのニュアンスを引き出します。 この曲は、和音がメロディーを支えていく和声なので、その和音が変わっていくところの注意が必要です。特に、小節の中で変わるところは気をつけましょう。 1小節目と2小節目で和音が変わっていきます。 3小節目は、1,2拍目と3,4拍目で和音が違います。 セカンドのファの音が次の4小節目のミで解決。4小節目のファも同様です。 ごくわずかですが、このあたりはファが出てきたら緊張です。極端にやる必要はありませんが、ちょっと意識することが大事です。 全体の緊張がそこで決定されるということで、ここはセカンドが重要になります。 13小節目、ギターの、シの瞬間に和声が変わります。 マンドラは1拍目のソは、3,4拍めのソとは違うので意識してください。 (3,4に緊張です) 14小節目、ギターのラも大事な音。 そしてメロディーは、ピチカートが透けて見えるくらいのバランスで弾くのがベストです。 こういう和声の変わり目というのは、極端に強く弾くというようなことではありませんが、そこを意識することが大事です。無意識に弾いてしまうと、ハーモニーが変わってもメロディーにそれが反映されず、それこそ何もない演奏になってしまいます。 ファーストのメロディーも、2分音符で音が伸びている間にピチカートパートの和音が変わっていくというところは、何かをするわけではありませんが、意識しておきます。 みんなで曲の構造を理解して、それを意識しながら演奏するということが、音楽的な演奏につながっていくと思います。 #
by michinokuhitori
| 2010-11-12 00:26
スコアの最初に、「con sordino(弱音器をつけて)」という指示があります。
バイオリンやビオラを模倣するわけではありませんが、弱音器の役割、ピチカートに託した音、というのは何か意味がある、ということで、それを再現してみようと思います。 とはいえ、マンドリンには弱音器というものがありません。そこで苦肉の策として、自家製弱音器なるものを作ってみました。 材料は輪ゴム3本。 3本の輪ゴムをつなぎ、使用する弦(E・A・D)のブリッジ際のところで1本ずつ弦に回すようにしてかけていき、ゴムの両端を、弦の端を止めるテールピースのところにひっかけます。 (装着に30秒くらいかかりますが、あわててパニクると1分以上かかってしまうので、熟練が必要です) また、ピチカート組の、セカンドとマンドラは、いわゆるピチカート奏法で8分音符を延々と弾き続けるのは大変なので、ティッシュペーパーを細長く折りたたみ、ブリッジの際のところに詰め、ピックではなく親指で演奏します。 原始的ではありますが、この「輪ゴム」「ティッシュ」というのが、音的には一番良いと思います(^^)v 現在、プリマヴェーラの、もの作り職人O氏が、簡単に装着できる弱音器を開発中で、試作品も何作かできています。 成功の暁には、プリマヴェーラのCDとともに、販売したいと考えています。 #
by michinokuhitori
| 2010-11-10 22:57
ハイドンのセレナーデとして長年親しまれてきたこの曲は、
「弦楽四重奏曲第17番ヘ長調(Op3-5)」の第2楽章です。 後の研究の結果、この曲の本当の作曲者は、オーストリアの修道士、ローマン・ホフシュテッターであることが明らかになりました。 ホフシュテッターはハイドンの信奉者であり、ハイドンの音楽様式に倣って自らも作曲をしました。それが明らかになってから、この曲自体演奏されることが少なくなってしまいましたが、第2楽章は、今でも「ハイドンのセレナーデ」としてBGMなどにもよく使われていて、誰でも一度は耳にしたことがあると思います。 今回、プリマヴェーラでは、演奏するにあたり、 「Payne版(1889年)」と「Peters版(1900年)」の2種類のスコアを用意しました。 一般的によく耳にするのは、Peters版の方で、Payne版と比べてみると、アーティキュレーションや装飾音などがかなり違っています。原点を探るということで、Payne版に忠実に、とも思ったのですが、あまりに違うアーティキュレーションに、かえって違和感を覚えるのでは、ということもあり、今回は両方のスコアを見比べつつ練習することにしました。 #
by michinokuhitori
| 2010-11-10 00:38
6月12日(土)午後2時より、弘前工芸協会展の展示場(百石町展示館)にて、
ギャラリーコンサートが行われました。 チャペルコンサートが行われたのが2008年の6月なので、私たちが人前で演奏するのは2年ぶりでした。 この2年の間、演奏する機会が全くなかったわけではないのです。 でも、メンバーの出入りがあったり、練習の形態が変わったりで、なかなか曲のレパートリーが増えていかず、人前で演奏するということに後ろ向きになっていたことも事実です。 また、人前で演奏するということで、曲の仕上げをどこまでやるのか、というのも問題点でした。みんなが弾けて、曲がある程度整った状態で良いのなら、年に1回演奏会を開くことも不可能ではありません。でも曲を音楽的に追及するということは、ある意味果てしない作業なのです。どの程度までできれば良しとするのか、というのが難しいところでもあります。 でも、そうは言っても、状況が整うのを待っていてもなかなか前には進んで行けないと思い、今回も決してベストの状態ではなかったのですが、とにかくやってみることにして準備を進めました。 途中、ギターパートがUさん1人になった時には、さすがにくじけそうになりました。 低音が手薄になるし、本番で緊張して音がなくなったらアウトです。 何より本人が一番不安だったと思うのですが、Uさんは自分しかいない、という責任感をとても感じて、旅行の日程を変更してまで、毎回練習に参加してくれました。不安な気持ちを抱えながらも一人で一生懸命にギターを弾くUさんの姿には本当に感心させられました。 私たちのアンサンブルは、音楽的な演奏を目指すという理念のもとで活動していますが、それと同時に、アマチュアの団体はメンタルな要素も大切だと思います。 この団体のためにがんばろうとか、みんなのためにがんばろうとか、ちょっと浪花節的ではありますが、そんな気持ちに結構心が揺さぶられることもあるのです。(私だけかもしれませんが・・・・^^;) 本番は指揮者なしで、11人が横1列に並んで演奏しました。 いつもの通り、細かいミスはちょこちょこありましたが、 直前の練習の成果も出ていて、おおむねよく弾けていたと思います。 3曲だったのであっという間で、終わってしまえば、「もっと弾きたかった」「物足りない」という声もあり、みんなの反応にちょっとびっくりしました。なにより、打ち上げでのメンバーの晴れ晴れとした顔を見ていると、思い切って演奏してみて良かったと思いました。 今回初演奏の「ハレオ・デ・ヘレス」は、このところ一番練習したということもあって、結構よい雰囲気が出せたのではないかと思います。なかなかこけしのダンスから抜け出せないのが悩みの種ではありますが、ちょっと手くらいは生えていたかな(笑)、と思います。 この「ハレオ・デ・ヘレス」は、スペイン舞曲をアマデイが編曲したものといわれています。 調子が良いので、何となく簡単に弾いてしまいがちですが、スペインらしい雰囲気を醸し出すのが難しかったです。リズム通りにかっちりと弾いてしまうとこけしのダンスになるし、かといって自分勝手に崩すこともできないし。 ギターのリズムが単調な分、表現が難しい曲だと思いました。 そんな中で指揮者発案のグリッサンドやラスゲアードなどはとても効果的でした。演奏する方はかなり苦労しましたが・・・・・でも、そんな産みの苦しみみたいなものがあって、初めて少し音楽に近づけるのでしょうね。 クラシックの名曲でも、マンドリンオリジナル曲でも、音楽的なアプローチは同じです。作曲家の意図するところに少しでも近づけるよう、これからも地道な練習を積んでいきたいと思います。 そして今後も私たちの音楽を聴いてもらえる機会があれば、積極的に演奏してみたいと思っています。 #
by michinokuhitori
| 2010-06-20 16:49
アマデイ編曲の「Jaleo de Jerez (ハレオ・デ・ヘレス)スペイン舞曲」
普通、スペインのダンス曲は、最初にダンスがあって、中間部にゆっくりした歌の部分があって、またダンスに戻るという3部形式になっているものが多いのですが、この曲はそういうものではなく、リズム素材もほとんど変わらない単調なダンス曲になっています。 最初のラ→ラのオクターブの跳躍に、内面的な思いが託されていて、ここをうまく表現したいと思います。 頭がいきなりピークで、そこから下降していくフレーズなのですが、ここの核音型は2ndパートの8分音符。1stの3連符はそれに装飾がついた形です。1拍めと2拍めの揺れの違い、身振りの違いがダンスらしさを表現します。 「スペイン風の、フラメンコみたいな腕の振りのようなものをイメージしてください。そういうものが必要で、何かしら動きがないとだめなんです。何か皆さんのはちょっとこけしっぽいですね(笑)まっすぐ立ってて・・・・・・手がない・・・・・・少し動いてください。」 という指揮者からの辛辣なお言葉。 こけし・・・(こけしがダンスする図を想像してみる・・・・(-_-;)) 当たってるかも・・・ 動きを出すためには、最初のラの音でエネルギーを放出することが必要です。 核音型を担う2ndの役割は、振りの勢いを自然につけてあげることで、ここの部分の表情を支えています。1拍目に重みを感じて弾いてください。 1stの3連符は横揺れの体感で。1拍めと2拍めが分断しないように気をつけましょう。 そして、マンドラは1stを模倣するように追いかけてください。 5小節目に出てくる1stの装飾音符はオンザビートで強調します。 (前に出す装飾音だと優雅な感じになってしまいます) 充分に重みを感じで。そこを強調しないと、次の小節のミの音が意味不明になります。このミの音がはっきりと提示できない状態で、次のアクセントに入ると必然を欠いてしまうので、ただの記号通りの変な演奏になってしまいます。 記号を見てその通りに演奏するのではなく、なぜそこにそういう記号がつけられたのか、という必然性を感じた上で演奏しなければ、音楽をやっている意味がないし訴えるものもないということですよね。 少しでも成熟したスペインの女性の踊りの音楽に聞こえるようにがんばりたいと思います。 (でも、なぜか弾くたびにこけしのダンスが頭をよぎるんですけど・・・) #
by michinokuhitori
| 2010-05-05 15:13
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