マンドラに新しいメンバーを迎え、少し活気が出てきたプリマヴェーラです。
20歳代が4人になり(一人産休ですが)、音楽面でも若返りを図りたいと願っています。 練習日はいつも「R-09」持参で録音するのですが、通常はイヤホーンでないと録音したものが聴けないので、その場ですぐに再生することができなくて残念に思っていました。 そんな思いを察したのか、今年になって、「普段の練習の時にみんなで聴けるように」と、顧問がモバイルスピーカーを買ってくれました。 さっそく練習日に持って行って、その日に録音したものをみんなで聴いてみました。 自宅で聴いたときは結構いい音で、音量もそこそこあると思ったのですが、練習場だと広すぎるのか、音が散ってしまってよく聞こえません。しかも、コンセントが少し離れたところにあって、それ以上前にいけない状態。 「聞こえにくかったらもっと前に寄ってきていいよ。」というと、みんなワッとスピーカーの周りに集まってきました。 しかも楽譜と鉛筆を持って・・・・・・・・・ちょっと感動でした。 チャペルに比べて音響がよくないので、そのままの音でしたが、かえってアラが目立つために、それぞれの問題点がよくわかったと思います。特にギターは音が少ない分、かえって存在感があって、ミスもかなり目立ちます。5.6弦が変則調弦なので弾き辛いとは思いますが、早く慣れてほしいと思います。(でもこの曲、もう2カ月位練習してるんですけど ^^;) せっかく買ってもらったスピーカーなので、普段の練習の時にも活用していきたいですね。 #
by michinokuhitori
| 2010-01-31 16:16
トリオは第1メヌエットとはちがって、なめらかに流れるような旋律です。
ここでは、8分音符をトレモロしながら、2個ずつ、2個と4個、あるいは6個の8分音符を弾き分けていきます。できるだけ右手の動きを止めずに、レガートな音の曲線を作っていくことが求められるので、細かいコントロールが必要になります。そしてどのパートにもメロディが出てきます。 特に、22小節目からはマンドラ~1st~ギターとカノンのように追いかけます。ここはそれぞれの入りのところで、前の声部よりも大きくしていくことで、自然に高揚感が生まれます。こういう構造的高揚というのは、いわゆるクレッシェンドやデクレッシェンドという感情的なものは持ち込まないのです。そして、その後の部分で、構造的なものだけでは足りなくなって、感情的なクレッシェンドでアップしていきます。 構造的高揚と感情的高揚を区別することが大切で、何でも気持ちを入れて感情的にクレッシェンドしていくものではないということを知っておきましょう。 31小節目から、1stと2ndが2オクターブで重なります。1オクターブだと音に幅を与えてなおかつ溶け合うのですが、2オクターブになると、幅と同時に柔らかさや暖かさを感じさせる一方、下の音が上ずると気持ち悪い感じになります。特に太い弦はハイポジションにいくと音程が上がってきます。 「31小節目のミ♭の音は低めに、32小節目のミ♮は高めに取ってください」という指揮者からの指示。 マンドリンで、弾きながら音程を調整するということを実際にやっている人がいるかどうかわかりませんが、純粋な音の響きを作るためには必要なものだと思います。 とはいえ、なかなか難しい。高くするのは弦を押し上げればいいので比較的楽なのですが、低くするのは張りの強さもあって思うように下がらない。それも弾きながら一つの音だけねらうのですから、かなりの練習が必要です。 まあこれも一つの挑戦ですから、できる限り、弦を押したり引いたりしながら音程の調節を試みてみましょう。 「できないときは念力で!」という指揮者。^^; 難しいですが、音程を調整しやすい運指を工夫することも必要だと思います。 ただし、やるならパート全員でやらなければ、不協和な響きになってしまいます。 #
by michinokuhitori
| 2009-11-11 22:09
モーツァルトの弦楽四重奏曲第16番変ホ長調(K.428)、第3楽章は、叩きつけるようなリズムを強調した第1メヌエットと、なめらかで抒情的なメロディーのトリオが対照的になっています。
第1メヌエットを演奏する時に、一番重要なのはアーティキュレーション。 スタッカート(点)やくさび(縦線)、8分音符と8分休符、2つの8分音符や4つの8分音符についたスラー、など、あらゆるピッキングの技術を駆使して弾き分けることが求められます。 「マンドリンでどこまで表現できるのか、ある種の挑戦ではありますが、もしうまくできればマンドリンアンサンブルで新しい響きの世界に入っていけるのではないでしょうか?」という指揮者。 厳しい挑戦ですが、できるだけ自然に聞こえるようにがんばってみたいと思います。 バロックのメヌエットは、1拍めから始まるものが多いのですが、古典の時代になってくると、モーツァルトやハイドンなど、3拍めのアウフタクトのあるメヌエットが出てきます。 この曲も、1stだけですが、アウフタクトで始まっています。冒頭に装飾音符がついているのですが、これは、上にあがる、という意味に読み取れます。シュライファーのように、すべるような感じではなく、ここは1オクターブ上がるので、跳躍型。上に飛び出すのです。そして落下する。 (みなさんおなじみの、アルシス↑・テシス↓です。) メヌエットというのは跳躍ダンスではなく、重心移動を楽しむダンスなので、そういう意味ではこの曲はちょっと変わっていて、個性的なメヌエットです。メヌエットがやがてベートーベンの時代にスケルツォに変化していくのですが、この曲にはスケルツォに発展していきそうな諧謔的な要素があると言えます。 1stの装飾音符は思い切り上に飛びあがりましょう。そして、あがったら、ただ落として運動しない。そこにユーモラスな感じと雄大な感じを出そうとしています。 もし、装飾音符がなく、単音だったらどうなるか・・・・・ 実験してみました。 ↓ ↓ なんともそっけなくて物足りない感じ。 (やっぱりモーツァルトってすごい!) 1小節目で、全パートが1stの落下を支えるのですが、ここではギターの「ソ」の音が重要です。主和音がくるけど、不安定な要素をギターが握っているのです。雄大だけど、何か動きがあるゾ、という感じをギターは出さなければいけません。(さあ、どうする!) 2小節目は少し緊張度が高くなります。飛び上がった時に、落ちるということを想定して飛び上がるのですが、次の音は少し高い所に落ちるので、落下地点を意識して落ちるのです。(これも難しい・・) こういうことをみんなで考えながら音を出していくと、曲が生きてきますよね。 「フォルテだから大きな音で弾く」、というのとは全く次元の違う、別の音楽になると思います。(^^)v #
by michinokuhitori
| 2009-11-09 15:26
8月2日(日)に、青森県高校文化連盟主催「器楽・弦楽部門」の講習会があり、指揮者とコンミスが講師として招かれ、2人で出かけてきました。
講習の対象になったのは「松風塾高校」と「八戸工業高校クラシックギター部」 松風塾高校は、音楽の授業がマンドリンで、1,2年生が必修という異色のカリキュラムを持っています。(素晴らしい!) 青森県の高校でマンドリンが存在するのはこの高校だけです。 また、八戸工業高校クラシックギター部は、昨年前橋で行われた、全国高校総合文化祭の器楽・管弦楽部門で青森県代表として参加した、実力のある団体です。 講習の午前の部は、二つの部屋に分かれ、 指揮者が八戸工業高校の合奏指導を、コンミスが松風塾高校のマンドリンの技術指導を行いました。 午後の部は、松風塾高校のマンドリンの合奏指導を行い、音楽的なことに触れました。 技術面では、ピックの形や素材の話から始めて、持ち方、使い方、効果的な音の出し方などをお話しました。生徒さん達にとっては、今までやってきたことと違うこともあって、少し難しかったかもしれませんが、みんな驚くほど素直で礼儀正しく、本当に真剣に取り組んでくれました。 プリマヴェーラでもよく取り上げる「バラバラのトレモロ」にも挑戦してもらいました。これはピッキングのコントロールができないと難しいので、ちょっと苦戦していましたが、みんな若くて好奇心が旺盛なので、習得するのは多分時間の問題でしょう。 プリマヴェーラのみなさん、負けないようにがんばってくださいね。 午後は指揮者の指導で、今取り組んでいる曲を弾きました。 2時間ほどの短い時間なので、深く踏み込むことはできなかったのですが、全体に流れる音楽をまず理解してもらいながら、持っている技術の中で出来る限りの表現をめざしました。結構高度な要求もあったのですが、高校生たちのくいつきは素晴らしく、音楽がどんどん変わっていく様子に感動しました。 若いということは、体も心も柔軟なのですね。(うらやましい) 後日、松風塾高校の先生から、メールをいただきました。 「講習の時にやってみたことをさっそく普段の練習に取り入れた」こと、 「あの日の指導から、音の重なり、融けあい、引き継ぎなどに先生も生徒も敏感になった」ことなどをお聞きし、早速こんなに実践していただいて、講習をやった甲斐があったと嬉しくなりました。 これからの松風塾高校に大いに期待したいと思います。 マンドリンという楽器は、まだまだ追及する余地があり、音楽的にも大きな可能性をもった楽器だということを、一人でも多くの人に伝えていくことができれば・・・・と願っています。 講習ご希望の団体がありましたら、いつでも出張いたしますよ。(^^)v #
by michinokuhitori
| 2009-08-13 22:27
「悲しきワルツ」Fから、1stの下のパートとマンドラが、符点4分音符を含む音形で上昇していきます。ここは音の上昇に従って駆け上がっていくのですが、決して軽快に駆け上がるのではありません。上がっていくにつれて、重みが増していきます。ちょうど、小麦粉とか片栗粉を練っていくうちにだんだん粘りが出てきて、一生懸命かき回さないと動けないような感じです。
そして駆け上がったピークのところに、楽譜には「breit(ブライト)」という表示があります。この「ブライト」を用意するために必要な、Fからの上昇だったのですが、ブライトというのは、イタリア語のlargo(ラルゴ)と同義語で、「幅広くゆったりと」という意味です。シベリウスは、ほかの部分ではイタリア語で表示しているのに、ここは「ラルゴ」ではなく、ドイツ語で「ブライト」と表示しています。これは、いわゆるテンポ表示の「ラルゴ」と誤解されることを恐れてのことでしょう。 バイオリンの場合、こういう部分を表現するのに、「弓を長めに使う」という奏法があります。(ドイツのオーケストラでは、バイオリンの弓を幅広く使ってほしい時に、指揮者が「ブライト」と言ったりします) また、Cのところでは、オリジナルのスコアを見ると、spitze(シュピッツェ)という表示があります。これはバイオリンの弓の先の部分を使って弾くという指示で、真ん中よりも張りが強い分、音の立ち上がりが早くなります。バイオリンは、曲のイメージがあまりなくても、技法指示用語で、ある程度表現できるのですが、マンドリンの場合はそういうものがないので、演奏者自身がはっきりと音のイメージを持っていなければ表現できるものではありません。 ピークの後の95小節目のアクセントは、fpのような感じ。大きな波がザワ~ンときて、引いていくような感じです。 必死にもがいて駆け上がったけれど、その先に待っているものは「死」。 やはり死から逃れることはできなかった・・・・ 感情が激しく高まった後の放心状態から、また最初のメロディーが現れてきます。 #
by michinokuhitori
| 2009-06-13 21:51
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