「頭からやると先が遠そうな気がするので、きょうは最後からいって終わり方を決めちゃいましょう!」と指揮者の言葉。
予想をくつがえす場所からのスタートで、みんなちょっと戸惑い気味で練習が始まりました。 「J」はユニゾンです。 西洋音楽は意外にリズムは単純で、旋律ラインもそれほど複雑ではありません。音程も原則として1オクターブ、12の半音しかありません。アラブの音楽とか、インドの音楽はもっと細分化されているので、それに比べると世界中の音楽の中では単純な部類です。その中であれだけ雄弁なものを作れたのは、ひとつは、独特なハーモニー感で、ハーモニーの形成というのは、西洋音楽を提示するのに重要なものになります。 この「J」は、頭にコードがあって、あとは最後から3小節目とエンディングのハーモニーのみで、今までハーモニーがあったものが、放棄されているのです。 ユニゾンは、それぞれの音の高さで同じように音を出していく方法で、原始的な強さがあります。単旋律には単旋律の強さがあるのです。単旋律というのは、可能性として持っているハーモニーというものが背後にあるのですが、それに和音をつけると、可能性の中からひとつ限定してしまうことになります。ですから、それを限定しないためには、単旋律としてやった方が広がりがあるのです。ここは、わざと意識的にハーモニーを放棄して力強さを出し、可能性を全部打ち出していない、ということを告白しているようなものです。 全員で勢いよく弾きましょう。八分音符は2個のグルーピングで。2拍目から入るパートは遅れないように。206小節の頭の4分音符)少し長めに。 次は1つ戻って「I」 ここは、2小節単位のモティーフで推移していきます。 1stから2nd、ギターⅠ、ギターⅢ~と受け渡すことで緊張感が生まれるのです。 193あたりで沈みきったら、あとは上がっていきます。195からの2ndは期待を持たせるように動きを増していきます。 ここは、モティーフが重なることで力が増していく感覚と、作為的にクレッシエンド効果とを併せ持って劇的な表情を作るところで、自然さと作為とが一体になっていないといけないところなのです。 とても綱渡り的で、全員が怖いところです。(>_<) 最初は慣れないので緊張感があって、ピクピクしながら弾いているのですが、実はその方が緊張感があっていいのです。慣れると緊張感が無くなってしまうので、上達してもきょうのこの怖い感じを忘れないように!と指揮者。 それが良い緊張感になって爆発します。そういうピリピリした緊張感になるように、ドヴォルザークが書いているんです。そして、そのあとには(J)、単旋律のダイナミズムで迫ってくるという対比を描いています。
by michinokuhitori
| 2006-08-28 00:18
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