グリーグが作曲したピアノ小品集「抒情小曲集」の中の1曲。
1886年に出版された第3集の5曲目(作品43の5)で原題は「Erotik」です。 テンポがゆっくりなので、八分音符で4つ振りにします。 楽譜の最初に書かれてある、con sordini. というのは、「弱音器をつけて」、という意味ですが、マンドリンは弱音器がないので、スルタストで演奏することにします。 1回目はノーマルで、1かっこの2小節目から2回目の演奏をスルタストでお願いします。 11小節目からはノーマルポジションで。 4つ振っていますが、2拍子の曲なので、2拍子の揺れが大事です。 マンドラの1小節目2小節目はゆりかごのような感じです。 2小節目の1stの装飾音はオンザビートではなく、前に出します。後期ロマン派あたりから、装飾を前に出すのが流行ります。ここで揺れを出して少し膨らむように。そして3小節目はカンタービレで、あふれるような感じで弾いてください。 クライマックスは7小節目の1st、マンドラの最高音レのテヌート。ここは声楽的に少し遅く、長めにします。そのために、前の部分をcresc.と一緒に少し早くします。 ただし、繰り返して2回目はスルタストで弾くので、全体が回想のように、はっきりとしない幻想の世界を描きます。クライマックスのところもあまりやり過ぎないようにします。 11小節目からは、まずギターから1st。これは受け渡しではなく対立です。そして12小節目の1stからマンドラは受け渡し。2小節単位でフレーズが出来上がっているので、13小節目からも同様です。ただし、次の piu mosso に向かっていくので、13小節目の方が、揺れが大きくなります。 15小節目からはギターⅠの刻みが主役です。他のパートはこの刻みに合わせていくようにします。ここは、sempre stretto 。常に先に行くような、せくような感じで、追い立てられるように進んでいきます。そして、19からは、piu cresc.。ギターⅡのバスも、それまで2小節単位だったものが、そこから1小節ごとになり緊迫感を強くしていきます。 22小節目がクライマックスですが、そのまま次のTempo Ⅰにピアノで入れないので、そこは遅くして、指揮も4つ+1つのような感じで振ります。22小節目のトリトヌスの音程を際立たせたら落として、23小節目に入ります。 26小節目の休符は、予測させて沈黙を作ります。自分の意思で時間を止めたくなるような感じです。 29小節目は2回目のエンディングの時にたっぷりと表情をつけて豊かな感じにします。 ちょっと気が遠くなるようななめらかな感じで。特に2ndは4番線なので、ごきごきした音にならないように気をつけましょう。
by michinokuhitori
| 2008-05-06 00:23
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