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ピチカート

「悲しきワルツ」の冒頭部分は、全パートピチカートです。

ピチカートには大きく3つの弾き方があります。

1.駒に軽く触れたまま、タッチして弾く。
2.弾いた直後に触れている手を浮かせる。
  (アタックの瞬間だけくもった響きで、そのあと音が残ります)
3.普通に弾いて、直後に左手ですばやく弦に触れる。

もうひとつおまけ・・・
  左手で、フレットの真上を押さえる。(音をくもらせて、右手は普通に弾く)
   ↓
  これは、右手が忙しい時に使える。

~マンドリンの場合は、さらに、右手と左手の指で弾く、という奏法があります。
この曲では、ピチカートの後すぐにトレモロになるので、右手の指を使うとピックの持ち替えが困難、左手だとコントロールが難しいので、精緻な演奏が困難です。~


曲に合わせてピチカートの奏法を選びます。
今回は、2、を採用。
1~3に名前を付けておくといいかもしれませんね。(わかりやすい名前、募集しています。)

「1小節目はpp 2小節目は少し大きく、3小節目がピーク 4小節目で少し小さく、5小節目でpp という遠近感を、ピチカートの中で、微妙なレベルで響きを作るのです。
ピチカートした!ということで満足するのではなくて、そこからのコントロールなのですよ!」という指揮者。
またまたマニアックな練習が必要ですね。

今のところ、冒頭部分のテンポは、88~92あたりの予定です。
オーケストラでは、“con sord.”(弱音器をつけて)という指示があります。そのサウンドを模倣するわけではありませんが、シベリウスが“弱音器をつけて弾かせる”ということに託した意味を捉えないといけないので、冒頭の響きが大事になってきます。

7小節目からトレモロに入ったら、できるだけ粒子を細かく、ハイビジョンで。
音の立ち上げ方に細心の注意を払って、音がアップしていく時の質を同じにします。
人工的に数が増えるようなトレモロの弾き方だと、音に気合いが感じられてしまうので、ここは気合も殺気もなく、うつろな感じが出せるようなトレモロが必要です。
こういう表情はマンドリンではとても難しい表現だと思いますが、できるだけ、けだるい感じの音が出せるといいですね。

この部分は、2ndの上のパートが主役で、曲全体の表情を担っていきます。
かなり神経を使うところなので、弾きながら2ndのメンバー曰く
「死にそうなんですけど・・・・^^;」(テーマは「死」ですけど、演奏者は死なないでね。)

普通は、ため息のモティーフというのは、バロック時代からたくさんあって、私たちにもおなじみなのですが、ここではそういうものではなく、もっと想像を絶するようなおかしな世界、不気味な世界を表しています。
現実の日常ではあまりあってほしくないような、そばにいてほしくないような感じ・・・・・・・
そういうイメージを持って、冒頭部分の響きを作っていきたいと思います。
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by michinokuhitori | 2009-03-18 23:09

悲しきワルツ

グリーグの「愛の詩」と「春」に挑戦して、北欧の音楽が結構マンドリンに合うということを発見し、北欧シリーズ第3弾として、シベリウスの「悲しきワルツ」に取り組むことになりました。

シベリウス(1865~1957)の悲しきワルツは、1903年に劇音楽「死(クオレマ)」の第1曲として作曲され、1904年に「悲しきワルツ」として改訂されました。単独でも演奏されますが、アンコール曲としてよく演奏される曲です。

この「クオレマ」という劇の内容は

~劇の始まりで、病める女がベッドに眠っているが、彼女のベッドのそばに幼い息子のパーヴァリが座っている。母は夢の中で踊り子たちを見ている。踊り手たちは部屋いっぱいに広がって、病気の母といっしょに 踊り、彼女は疲れ果てる。そして演奏もまた終わる。踊り手たちが部屋から出ていくと母は目を覚まして再び踊り始め、音楽が新たな勢いで再び始まり、部屋はもう一度踊り子たちでいっぱいになる。音楽は死が扉を3度叩くと止まる。この瞬間に踊り子たちの姿は消え、死は母の死んだ夫の姿でやってきて、母を連れ去ろうとする。~ (日本楽譜出版社 大束省三氏の解説より)

悲しきワルツというタイトルからは、叙情的な感じを受けますが、この劇の内容をみてもわかるように、「死」がテーマの曲です。神秘的な感じ、不気味な感じ、狂ったような感じを、どれくらい演奏できるかがこの曲の重要なところです。

最初の部分は、一番神経を使うところで、かなり音の出し方のコントロールが必要です。
まず、響きがはっきりしない、ということが大事です。音の立ち上がりのコントロールを意識します。
特に重要なのが、2ndの上のパートです。力のない青白い音、病的な感じの音で、溜息のモティーフです。
Aからは2ndと同質の音で1stのメロディーが出てきます。
いつものワルツの場合だと、伴奏の音とメロディーラインは、弾ませたり、際立たせたりして対比を作ったりしますが、ここは同質の音で弾きます。その響きの中で、長いメロディーが出てきても、2ndはずっと主導権を握りながら彷徨うように揺れていきます。

2ndの下のパートは同じ音が2つ続きますが、溜息のモティーフは同じです。手首の動きと腕の動きをうまく分業させて、絶妙のコントロールをよろしくお願いします。

この曲が要求してくる響きを出すことによって、マンドリンの新しい音色が引き出されるかもしれませんね。
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by michinokuhitori | 2009-03-18 00:51