和音の変わり目・・・・・・セレナーデ③

この曲は、拍子記号が2分の2拍子となっていますが、これはいわゆるアラブレーベとは考えないで、速めの4拍子として考えましょう。
(以前やった、モーツァルトのアイネクライネでもありましたよね)

セカンドとマンドラは8分音符のピチカートが1小節に8コ出てきますが、ここは4コ4コで意識します。(一般的な、4拍めを↑、次の1拍めを↓というようなことはあまり考えなくていいです。)
セカンドは、3度音程を、マンドラは6度の跳躍をきれいに躍動させます。この運動性の違いを意識しましょう。セカンドは穏やかな小波、マンドラは少し大きい波、という2層構造になっています。このピチカートの粒が聞こえることによって、ある程度の小気味よい運動性やユーモラスな響きがそこに託されます。その上に、全く性格の違うメロディーが流れる、というコントラストを楽しみたいと思います。
優雅に泳ぐ白鳥のごとく、水面下では足をバタバタと、結構疲れる動きをしている、ということですね。


冒頭のファーストは、フレンチデタシェ風に弾きましょう。動き出してちょっと止まるようなアクションが次へのニュアンスを引き出します。
この曲は、和音がメロディーを支えていく和声なので、その和音が変わっていくところの注意が必要です。特に、小節の中で変わるところは気をつけましょう。

1小節目と2小節目で和音が変わっていきます。
3小節目は、1,2拍目と3,4拍目で和音が違います。
セカンドのファの音が次の4小節目のミで解決。4小節目のファも同様です。
ごくわずかですが、このあたりはファが出てきたら緊張です。極端にやる必要はありませんが、ちょっと意識することが大事です。
全体の緊張がそこで決定されるということで、ここはセカンドが重要になります。

13小節目、ギターの、シの瞬間に和声が変わります。
マンドラは1拍目のソは、3,4拍めのソとは違うので意識してください。
(3,4に緊張です)
14小節目、ギターのラも大事な音。

そしてメロディーは、ピチカートが透けて見えるくらいのバランスで弾くのがベストです。

こういう和声の変わり目というのは、極端に強く弾くというようなことではありませんが、そこを意識することが大事です。無意識に弾いてしまうと、ハーモニーが変わってもメロディーにそれが反映されず、それこそ何もない演奏になってしまいます。
ファーストのメロディーも、2分音符で音が伸びている間にピチカートパートの和音が変わっていくというところは、何かをするわけではありませんが、意識しておきます。

みんなで曲の構造を理解して、それを意識しながら演奏するということが、音楽的な演奏につながっていくと思います。
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# by michinokuhitori | 2010-11-12 00:26

弱音器・・・・・・セレナーデ②

スコアの最初に、「con sordino(弱音器をつけて)」という指示があります。
バイオリンやビオラを模倣するわけではありませんが、弱音器の役割、ピチカートに託した音、というのは何か意味がある、ということで、それを再現してみようと思います。
とはいえ、マンドリンには弱音器というものがありません。そこで苦肉の策として、自家製弱音器なるものを作ってみました。

材料は輪ゴム3本。
3本の輪ゴムをつなぎ、使用する弦(E・A・D)のブリッジ際のところで1本ずつ弦に回すようにしてかけていき、ゴムの両端を、弦の端を止めるテールピースのところにひっかけます。
(装着に30秒くらいかかりますが、あわててパニクると1分以上かかってしまうので、熟練が必要です)

また、ピチカート組の、セカンドとマンドラは、いわゆるピチカート奏法で8分音符を延々と弾き続けるのは大変なので、ティッシュペーパーを細長く折りたたみ、ブリッジの際のところに詰め、ピックではなく親指で演奏します。

原始的ではありますが、この「輪ゴム」「ティッシュ」というのが、音的には一番良いと思います(^^)v

現在、プリマヴェーラの、もの作り職人O氏が、簡単に装着できる弱音器を開発中で、試作品も何作かできています。
成功の暁には、プリマヴェーラのCDとともに、販売したいと考えています。
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# by michinokuhitori | 2010-11-10 22:57

ハイドンのセレナーデ・・・・・・①

ハイドンのセレナーデとして長年親しまれてきたこの曲は、
「弦楽四重奏曲第17番ヘ長調(Op3-5)」の第2楽章です。
後の研究の結果、この曲の本当の作曲者は、オーストリアの修道士、ローマン・ホフシュテッターであることが明らかになりました。

ホフシュテッターはハイドンの信奉者であり、ハイドンの音楽様式に倣って自らも作曲をしました。それが明らかになってから、この曲自体演奏されることが少なくなってしまいましたが、第2楽章は、今でも「ハイドンのセレナーデ」としてBGMなどにもよく使われていて、誰でも一度は耳にしたことがあると思います。

今回、プリマヴェーラでは、演奏するにあたり、
「Payne版(1889年)」と「Peters版(1900年)」の2種類のスコアを用意しました。
一般的によく耳にするのは、Peters版の方で、Payne版と比べてみると、アーティキュレーションや装飾音などがかなり違っています。原点を探るということで、Payne版に忠実に、とも思ったのですが、あまりに違うアーティキュレーションに、かえって違和感を覚えるのでは、ということもあり、今回は両方のスコアを見比べつつ練習することにしました。
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# by michinokuhitori | 2010-11-10 00:38

工芸展ギャラリーコンサート

6月12日(土)午後2時より、弘前工芸協会展の展示場(百石町展示館)にて、
ギャラリーコンサートが行われました。

チャペルコンサートが行われたのが2008年の6月なので、私たちが人前で演奏するのは2年ぶりでした。

この2年の間、演奏する機会が全くなかったわけではないのです。
でも、メンバーの出入りがあったり、練習の形態が変わったりで、なかなか曲のレパートリーが増えていかず、人前で演奏するということに後ろ向きになっていたことも事実です。
また、人前で演奏するということで、曲の仕上げをどこまでやるのか、というのも問題点でした。みんなが弾けて、曲がある程度整った状態で良いのなら、年に1回演奏会を開くことも不可能ではありません。でも曲を音楽的に追及するということは、ある意味果てしない作業なのです。どの程度までできれば良しとするのか、というのが難しいところでもあります。

でも、そうは言っても、状況が整うのを待っていてもなかなか前には進んで行けないと思い、今回も決してベストの状態ではなかったのですが、とにかくやってみることにして準備を進めました。

途中、ギターパートがUさん1人になった時には、さすがにくじけそうになりました。
低音が手薄になるし、本番で緊張して音がなくなったらアウトです。
何より本人が一番不安だったと思うのですが、Uさんは自分しかいない、という責任感をとても感じて、旅行の日程を変更してまで、毎回練習に参加してくれました。不安な気持ちを抱えながらも一人で一生懸命にギターを弾くUさんの姿には本当に感心させられました。
私たちのアンサンブルは、音楽的な演奏を目指すという理念のもとで活動していますが、それと同時に、アマチュアの団体はメンタルな要素も大切だと思います。
この団体のためにがんばろうとか、みんなのためにがんばろうとか、ちょっと浪花節的ではありますが、そんな気持ちに結構心が揺さぶられることもあるのです。(私だけかもしれませんが・・・・^^;)

本番は指揮者なしで、11人が横1列に並んで演奏しました。
いつもの通り、細かいミスはちょこちょこありましたが、
直前の練習の成果も出ていて、おおむねよく弾けていたと思います。
3曲だったのであっという間で、終わってしまえば、「もっと弾きたかった」「物足りない」という声もあり、みんなの反応にちょっとびっくりしました。なにより、打ち上げでのメンバーの晴れ晴れとした顔を見ていると、思い切って演奏してみて良かったと思いました。

今回初演奏の「ハレオ・デ・ヘレス」は、このところ一番練習したということもあって、結構よい雰囲気が出せたのではないかと思います。なかなかこけしのダンスから抜け出せないのが悩みの種ではありますが、ちょっと手くらいは生えていたかな(笑)、と思います。

この「ハレオ・デ・ヘレス」は、スペイン舞曲をアマデイが編曲したものといわれています。
調子が良いので、何となく簡単に弾いてしまいがちですが、スペインらしい雰囲気を醸し出すのが難しかったです。リズム通りにかっちりと弾いてしまうとこけしのダンスになるし、かといって自分勝手に崩すこともできないし。
ギターのリズムが単調な分、表現が難しい曲だと思いました。
そんな中で指揮者発案のグリッサンドやラスゲアードなどはとても効果的でした。演奏する方はかなり苦労しましたが・・・・・でも、そんな産みの苦しみみたいなものがあって、初めて少し音楽に近づけるのでしょうね。

クラシックの名曲でも、マンドリンオリジナル曲でも、音楽的なアプローチは同じです。作曲家の意図するところに少しでも近づけるよう、これからも地道な練習を積んでいきたいと思います。
そして今後も私たちの音楽を聴いてもらえる機会があれば、積極的に演奏してみたいと思っています。
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# by michinokuhitori | 2010-06-20 16:49

こけしのダンス?

アマデイ編曲の「Jaleo de Jerez (ハレオ・デ・ヘレス)スペイン舞曲」

普通、スペインのダンス曲は、最初にダンスがあって、中間部にゆっくりした歌の部分があって、またダンスに戻るという3部形式になっているものが多いのですが、この曲はそういうものではなく、リズム素材もほとんど変わらない単調なダンス曲になっています。

最初のラ→ラのオクターブの跳躍に、内面的な思いが託されていて、ここをうまく表現したいと思います。
頭がいきなりピークで、そこから下降していくフレーズなのですが、ここの核音型は2ndパートの8分音符。1stの3連符はそれに装飾がついた形です。1拍めと2拍めの揺れの違い、身振りの違いがダンスらしさを表現します。
「スペイン風の、フラメンコみたいな腕の振りのようなものをイメージしてください。そういうものが必要で、何かしら動きがないとだめなんです。何か皆さんのはちょっとこけしっぽいですね(笑)まっすぐ立ってて・・・・・・手がない・・・・・・少し動いてください。」
という指揮者からの辛辣なお言葉。

こけし・・・(こけしがダンスする図を想像してみる・・・・(-_-;))
当たってるかも・・・

動きを出すためには、最初のラの音でエネルギーを放出することが必要です。
核音型を担う2ndの役割は、振りの勢いを自然につけてあげることで、ここの部分の表情を支えています。1拍目に重みを感じて弾いてください。

1stの3連符は横揺れの体感で。1拍めと2拍めが分断しないように気をつけましょう。
そして、マンドラは1stを模倣するように追いかけてください。

5小節目に出てくる1stの装飾音符はオンザビートで強調します。
(前に出す装飾音だと優雅な感じになってしまいます)
充分に重みを感じで。そこを強調しないと、次の小節のミの音が意味不明になります。このミの音がはっきりと提示できない状態で、次のアクセントに入ると必然を欠いてしまうので、ただの記号通りの変な演奏になってしまいます。

記号を見てその通りに演奏するのではなく、なぜそこにそういう記号がつけられたのか、という必然性を感じた上で演奏しなければ、音楽をやっている意味がないし訴えるものもないということですよね。

少しでも成熟したスペインの女性の踊りの音楽に聞こえるようにがんばりたいと思います。
(でも、なぜか弾くたびにこけしのダンスが頭をよぎるんですけど・・・)
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# by michinokuhitori | 2010-05-05 15:13

モバイルスピーカー

マンドラに新しいメンバーを迎え、少し活気が出てきたプリマヴェーラです。
20歳代が4人になり(一人産休ですが)、音楽面でも若返りを図りたいと願っています。

練習日はいつも「R-09」持参で録音するのですが、通常はイヤホーンでないと録音したものが聴けないので、その場ですぐに再生することができなくて残念に思っていました。
そんな思いを察したのか、今年になって、「普段の練習の時にみんなで聴けるように」と、顧問がモバイルスピーカーを買ってくれました。

さっそく練習日に持って行って、その日に録音したものをみんなで聴いてみました。
自宅で聴いたときは結構いい音で、音量もそこそこあると思ったのですが、練習場だと広すぎるのか、音が散ってしまってよく聞こえません。しかも、コンセントが少し離れたところにあって、それ以上前にいけない状態。

「聞こえにくかったらもっと前に寄ってきていいよ。」というと、みんなワッとスピーカーの周りに集まってきました。
しかも楽譜と鉛筆を持って・・・・・・・・・ちょっと感動でした。

チャペルに比べて音響がよくないので、そのままの音でしたが、かえってアラが目立つために、それぞれの問題点がよくわかったと思います。特にギターは音が少ない分、かえって存在感があって、ミスもかなり目立ちます。5.6弦が変則調弦なので弾き辛いとは思いますが、早く慣れてほしいと思います。(でもこの曲、もう2カ月位練習してるんですけど ^^;)

せっかく買ってもらったスピーカーなので、普段の練習の時にも活用していきたいですね。
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# by michinokuhitori | 2010-01-31 16:16

押したり引いたり

トリオは第1メヌエットとはちがって、なめらかに流れるような旋律です。

ここでは、8分音符をトレモロしながら、2個ずつ、2個と4個、あるいは6個の8分音符を弾き分けていきます。できるだけ右手の動きを止めずに、レガートな音の曲線を作っていくことが求められるので、細かいコントロールが必要になります。そしてどのパートにもメロディが出てきます。
特に、22小節目からはマンドラ~1st~ギターとカノンのように追いかけます。ここはそれぞれの入りのところで、前の声部よりも大きくしていくことで、自然に高揚感が生まれます。こういう構造的高揚というのは、いわゆるクレッシェンドやデクレッシェンドという感情的なものは持ち込まないのです。そして、その後の部分で、構造的なものだけでは足りなくなって、感情的なクレッシェンドでアップしていきます。
構造的高揚と感情的高揚を区別することが大切で、何でも気持ちを入れて感情的にクレッシェンドしていくものではないということを知っておきましょう。

31小節目から、1stと2ndが2オクターブで重なります。1オクターブだと音に幅を与えてなおかつ溶け合うのですが、2オクターブになると、幅と同時に柔らかさや暖かさを感じさせる一方、下の音が上ずると気持ち悪い感じになります。特に太い弦はハイポジションにいくと音程が上がってきます。

「31小節目のミ♭の音は低めに、32小節目のミ♮は高めに取ってください」という指揮者からの指示。
マンドリンで、弾きながら音程を調整するということを実際にやっている人がいるかどうかわかりませんが、純粋な音の響きを作るためには必要なものだと思います。
とはいえ、なかなか難しい。高くするのは弦を押し上げればいいので比較的楽なのですが、低くするのは張りの強さもあって思うように下がらない。それも弾きながら一つの音だけねらうのですから、かなりの練習が必要です。
まあこれも一つの挑戦ですから、できる限り、弦を押したり引いたりしながら音程の調節を試みてみましょう。
「できないときは念力で!」という指揮者。^^; 
難しいですが、音程を調整しやすい運指を工夫することも必要だと思います。
ただし、やるならパート全員でやらなければ、不協和な響きになってしまいます。
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# by michinokuhitori | 2009-11-11 22:09

跳躍と落下

モーツァルトの弦楽四重奏曲第16番変ホ長調(K.428)、第3楽章は、叩きつけるようなリズムを強調した第1メヌエットと、なめらかで抒情的なメロディーのトリオが対照的になっています。

第1メヌエットを演奏する時に、一番重要なのはアーティキュレーション。
スタッカート(点)やくさび(縦線)、8分音符と8分休符、2つの8分音符や4つの8分音符についたスラー、など、あらゆるピッキングの技術を駆使して弾き分けることが求められます。

「マンドリンでどこまで表現できるのか、ある種の挑戦ではありますが、もしうまくできればマンドリンアンサンブルで新しい響きの世界に入っていけるのではないでしょうか?」という指揮者。
厳しい挑戦ですが、できるだけ自然に聞こえるようにがんばってみたいと思います。

バロックのメヌエットは、1拍めから始まるものが多いのですが、古典の時代になってくると、モーツァルトやハイドンなど、3拍めのアウフタクトのあるメヌエットが出てきます。
この曲も、1stだけですが、アウフタクトで始まっています。冒頭に装飾音符がついているのですが、これは、上にあがる、という意味に読み取れます。シュライファーのように、すべるような感じではなく、ここは1オクターブ上がるので、跳躍型。上に飛び出すのです。そして落下する。
(みなさんおなじみの、アルシス↑・テシス↓です。)

メヌエットというのは跳躍ダンスではなく、重心移動を楽しむダンスなので、そういう意味ではこの曲はちょっと変わっていて、個性的なメヌエットです。メヌエットがやがてベートーベンの時代にスケルツォに変化していくのですが、この曲にはスケルツォに発展していきそうな諧謔的な要素があると言えます。
1stの装飾音符は思い切り上に飛びあがりましょう。そして、あがったら、ただ落として運動しない。そこにユーモラスな感じと雄大な感じを出そうとしています。

もし、装飾音符がなく、単音だったらどうなるか・・・・・
実験してみました。


なんともそっけなくて物足りない感じ。
(やっぱりモーツァルトってすごい!)

1小節目で、全パートが1stの落下を支えるのですが、ここではギターの「ソ」の音が重要です。主和音がくるけど、不安定な要素をギターが握っているのです。雄大だけど、何か動きがあるゾ、という感じをギターは出さなければいけません。(さあ、どうする!)
2小節目は少し緊張度が高くなります。飛び上がった時に、落ちるということを想定して飛び上がるのですが、次の音は少し高い所に落ちるので、落下地点を意識して落ちるのです。(これも難しい・・)


こういうことをみんなで考えながら音を出していくと、曲が生きてきますよね。
「フォルテだから大きな音で弾く」、というのとは全く次元の違う、別の音楽になると思います。(^^)v
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# by michinokuhitori | 2009-11-09 15:26

マンドリン講習会

8月2日(日)に、青森県高校文化連盟主催「器楽・弦楽部門」の講習会があり、指揮者とコンミスが講師として招かれ、2人で出かけてきました。

講習の対象になったのは「松風塾高校」と「八戸工業高校クラシックギター部」

松風塾高校は、音楽の授業がマンドリンで、1,2年生が必修という異色のカリキュラムを持っています。(素晴らしい!)
青森県の高校でマンドリンが存在するのはこの高校だけです。
また、八戸工業高校クラシックギター部は、昨年前橋で行われた、全国高校総合文化祭の器楽・管弦楽部門で青森県代表として参加した、実力のある団体です。

講習の午前の部は、二つの部屋に分かれ、
指揮者が八戸工業高校の合奏指導を、コンミスが松風塾高校のマンドリンの技術指導を行いました。
午後の部は、松風塾高校のマンドリンの合奏指導を行い、音楽的なことに触れました。


技術面では、ピックの形や素材の話から始めて、持ち方、使い方、効果的な音の出し方などをお話しました。生徒さん達にとっては、今までやってきたことと違うこともあって、少し難しかったかもしれませんが、みんな驚くほど素直で礼儀正しく、本当に真剣に取り組んでくれました。
プリマヴェーラでもよく取り上げる「バラバラのトレモロ」にも挑戦してもらいました。これはピッキングのコントロールができないと難しいので、ちょっと苦戦していましたが、みんな若くて好奇心が旺盛なので、習得するのは多分時間の問題でしょう。
プリマヴェーラのみなさん、負けないようにがんばってくださいね。

午後は指揮者の指導で、今取り組んでいる曲を弾きました。
2時間ほどの短い時間なので、深く踏み込むことはできなかったのですが、全体に流れる音楽をまず理解してもらいながら、持っている技術の中で出来る限りの表現をめざしました。結構高度な要求もあったのですが、高校生たちのくいつきは素晴らしく、音楽がどんどん変わっていく様子に感動しました。
若いということは、体も心も柔軟なのですね。(うらやましい)


後日、松風塾高校の先生から、メールをいただきました。
「講習の時にやってみたことをさっそく普段の練習に取り入れた」こと、
「あの日の指導から、音の重なり、融けあい、引き継ぎなどに先生も生徒も敏感になった」ことなどをお聞きし、早速こんなに実践していただいて、講習をやった甲斐があったと嬉しくなりました。
これからの松風塾高校に大いに期待したいと思います。


マンドリンという楽器は、まだまだ追及する余地があり、音楽的にも大きな可能性をもった楽器だということを、一人でも多くの人に伝えていくことができれば・・・・と願っています。

講習ご希望の団体がありましたら、いつでも出張いたしますよ。(^^)v
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# by michinokuhitori | 2009-08-13 22:27

breit(ブライト)

「悲しきワルツ」Fから、1stの下のパートとマンドラが、符点4分音符を含む音形で上昇していきます。ここは音の上昇に従って駆け上がっていくのですが、決して軽快に駆け上がるのではありません。上がっていくにつれて、重みが増していきます。ちょうど、小麦粉とか片栗粉を練っていくうちにだんだん粘りが出てきて、一生懸命かき回さないと動けないような感じです。

そして駆け上がったピークのところに、楽譜には「breit(ブライト)」という表示があります。この「ブライト」を用意するために必要な、Fからの上昇だったのですが、ブライトというのは、イタリア語のlargo(ラルゴ)と同義語で、「幅広くゆったりと」という意味です。シベリウスは、ほかの部分ではイタリア語で表示しているのに、ここは「ラルゴ」ではなく、ドイツ語で「ブライト」と表示しています。これは、いわゆるテンポ表示の「ラルゴ」と誤解されることを恐れてのことでしょう。

バイオリンの場合、こういう部分を表現するのに、「弓を長めに使う」という奏法があります。(ドイツのオーケストラでは、バイオリンの弓を幅広く使ってほしい時に、指揮者が「ブライト」と言ったりします)
また、Cのところでは、オリジナルのスコアを見ると、spitze(シュピッツェ)という表示があります。これはバイオリンの弓の先の部分を使って弾くという指示で、真ん中よりも張りが強い分、音の立ち上がりが早くなります。バイオリンは、曲のイメージがあまりなくても、技法指示用語で、ある程度表現できるのですが、マンドリンの場合はそういうものがないので、演奏者自身がはっきりと音のイメージを持っていなければ表現できるものではありません。

ピークの後の95小節目のアクセントは、fpのような感じ。大きな波がザワ~ンときて、引いていくような感じです。

必死にもがいて駆け上がったけれど、その先に待っているものは「死」。
やはり死から逃れることはできなかった・・・・
感情が激しく高まった後の放心状態から、また最初のメロディーが現れてきます。
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# by michinokuhitori | 2009-06-13 21:51